【世界中で親しまれている凧】紀元前から続く「凧」の歴史や有名な凧揚げ大会

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凧とは

凧というのは、木や竹で作った骨組みに、紙や布、ビニールなどを張ったものです。これを糸で引っ張って空中に揚げるのが凧揚げで、日本では正月の遊びとしてよく知られていますが、海外にもその国独自の凧が見られます。

日本で古くから作られていたものは、骨組みは竹で布の代わりに和紙を張っているものが多く、和凧と呼ばれています。

一方、海外製品に多く見られる、プラスチックや木材で骨を組み、ビニールなどを張ったタイプの凧は洋凧といわれます。娯楽用のものが一般的に普及していますが、過去には気象観測や空中撮影による学術調査などにもよく用いていました。

凧の歴史


出典:写真AC

凧の歴史は非常に古く、伝説では紀元前4世紀頃に中国で凧が作られたといわれています。また、日本では平安時代中期には凧に関する記述が見つかっており、この頃にはすでに、竹の骨組みや和紙を用いた伝統的な和凧が利用されていたと考えられています。

日本で揚げられていた凧は、角型の他に六角形や奴の形をしているものなど形状は様々で、安定して飛ばすために尻尾がついているものもあります。

鎖国の間は和凧ばかりが揚げられていましたが、14世紀頃になると、海外の凧が日本に持ち込まれるようになりました。これによって凧の形状もこれまでよりさらに多様化し、サイズも変化していきました。凧揚げは海外の影響もあってさらに広まり、江戸時代には大凧を揚げることも日本で流行るようになりました。

しかし、地方の発展に伴って電線が増えたり、凧による農作物や建築物への被害が問題視されたりしたことによって徐々に凧揚げは減少していったのです。とはいえ、今でも大会を開催している地域は多数あります。

凧揚げ大会①

白根大凧合戦


出典:写真AC

新潟県新潟市で行われる白根大凧合戦は、もともとは川を挟んだ住民同士が、凧を相手の土地に落としたことで農作物に被害を与えたことがきっかけといわれています。その歴史は古く、江戸時代の中頃に始まったといわれています。

この凧合戦は、中ノ口川の両岸の人が対立したことがきっかけとなっているため、相手側に向かって凧が揚がるように工夫されており、風の流れが良ければ、迫力ある合戦が繰り広げられます。

合戦は、相手の凧網を交差させて水面に落とし、川の流れを利用して相手の綱を切るというものです。これを期間中に行い、通算成績で順位が決まります。凧の性能と凧揚げの技術、チームワークが重要な合戦です。

白根大凧合戦HP
http://www.shironekankou.jp/tako/

凧揚げ大会②

浜松まつり


出典:写真AC

静岡県浜松市で行われる浜松まつりは毎年5月3日~5日の3日間に開催されます。夜には御殿屋台の引き回しや練りを見ることができ、昼には凧揚げ合戦が行われます。

凧揚げ合戦は自治会ごとにチームを作り、それぞれに自分のチームの凧印が描かれた大凧を揚げます。そして、対決する組同士で凧糸を切り合って競うという内容です。

この祭りで使用する大凧は、2~10帖近くありますが、このサイズは大きいものになると3m四方を超えているということです。

浜松まつりで使われている凧は、サイズが大きいだけでなく、正方形で細かい骨組みが組まれており、頑丈で重いのが特徴的です。この大会で使う凧の材料は浜松まつり会館で購入したものに限られており、糸を切りやすくする仕掛けなども禁じられています。

浜松まつりHP
http://hamamatsu-daisuki.net/matsuri/

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