日本三大銘菓「落雁(らくがん)」を紹介|大和屋・山川・風流堂

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出典:Nullumayulife

日本には、色々な「三大」があります。

お菓子にもまた、「日本三大銘菓」があります。 この日本三大銘菓は、日本と付くからには和菓子なのですが、和菓子の中でも落雁(らくがん)というものを指します。

「落雁」というのは、よくお彼岸などでお供え物になっている、白や紅色をした固くて甘い砂糖菓子です。 日本ではポピュラーなお菓子なので、実際に食べたことのある人が多いのではないでしょうか。日常的に口にするものではありませんが、「落雁」について紹介します。

「日本三大銘菓」の「落雁」は、味よし見た目よしの職人技が光る銘菓です。

日本三大銘菓①「大和屋の越乃雪」


出典:Wikimedia Commmons

日本三大銘菓のひとつ越乃雪は、新潟県長岡市にある老舗・大和屋の看板ともいえる銘菓です。 新潟特産品のもち米を大和屋独自製法で加工した白玉粉と、徳島の和三盆を自社蔵で寝かせたものを合わせて、四角い型で形成して作られています。

安永7年、大和屋庄左衛門が病床に伏せった当時の長岡藩藩主・牧野忠精公へと白玉粉に和三盆を加えたお菓子を献上したのがはじまり。その後、すっかり快癒した忠精公によって、越路の山々に美しく降り積もる雪からその銘が贈られたのだそうです。

大和屋の越乃雪は長い歴史の中で数々の著名人に愛されてきました。

明治天皇も御巡幸の際にこの日本三大銘菓を食されました。また、死の床にあった高杉晋作が、最後の雪見にと、砕いた越乃雪を盆栽にふりかけたという逸話は特に有名です。

この越乃雪、分類上は落雁なのですが、その銘に偽りなしの本当に淡い雪のような儚さを感じられるお菓子です。微細に砕かれた粉砂糖がまぶされており、見る角度によって雪化粧のようにきらきらと輝いて見えます。

しかし、いざ食べようとして触れると、それだけでほろほろと崩れていきます。

口に含めば、口内の温かさでじんわりと雪解けのように溶け和三盆特有の上品な甘さが舌の上に拡がります。

【越乃雪本舗大和屋】

住所:〒940-0072新潟県長岡市柳原町3番3号
URL:http://www.koshinoyuki-yamatoya.co.jp/index.html

日本三大銘菓②「森八の長生殿」


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長生殿は、石川県金沢市の老舗・森八が製造・販売する和菓子で、同市の名物でもあります。 日本三大銘菓である長生殿の歴史は古く、加賀藩の三代目藩主だった前田利常公が七夕の落雁を作るようにと、森八の前身である三代目森下屋八左衛門に命じたことで誕生しました。

薄い長方形に整えられた紅白二色の落雁で、表面に菓子「長生殿」の文字が彫られているのが特徴。 この文字は、備中松山藩の二代目藩主であり、後の近江小室藩初代藩主でもある小堀政一公が自ら筆をとったもの。政一公は茶道にも通じていて、遠州流の開祖でもありました。

「長生殿」の彫り込みのアイディアとその銘は、政一公によるものです。唐の時代の詩人白居易の「長恨歌」の中で、七夕の日に唐の九代皇帝玄宗と楊貴妃の逢瀬の舞台となった場所から名付けられました。 北陸のもち米と四国の高級砂糖・阿波和三盆を繰り返し丹念に練ったものを型に押し固めることで作られています

三百年以上に渡って、この製法は守られてきました。また、山形県の本紅を使用した鮮やかなピンク色が、端正な見た目にも親しみを感じさせてくれています。 サックリとした歯ざわりとふんわり溶けていくすっきりとした和三盆の甘味。もち米本来の滋味を感じさせる、日本三大銘菓にして落雁の最高級品です。

【森八】

住所:石川県金沢市大手町10-15
URL:https://www.morihachi.co.jp/

日本三大銘菓③「風流堂の山川」


出典:Wikimedia Commmons

山川は、島根県松江市にある風流堂で製造・販売されている銘菓です。 元々は現代までその茶風を伝える茶人・不昧公こと松江藩七代目藩主の松平治郷公が考案したお菓子です。治郷公は茶器の収集家であり、考案した銘菓の数々とともに「不昧公御好み」として、今の世にも知られています。

日本三大銘菓のひとつ、山川もこの「不昧公御好み(ふまいこうごのみ)」に数えられる逸品です。ですが、当時は高級品であった砂糖などを贅沢に使用する「不昧公御好み」もまたその当時は高価な品であったため、明治時代に入ってから山川を筆頭に一度その製法が途絶えてしまいました。

その後、大正時代になって明治二十三年に創業した風流堂が見事復活させたのが、現在の山川です。 長方形に型押しされた無駄な装飾のない洗練されたデザインが特徴的な紅白の外見。

はっきりと分けられた一対の紅と白はそれぞれが「紅葉の山」と「川のせせらぎ」を表しており、その銘もまた生みの親である治郷公の詠んだ 「散るは浮き 散らぬは沈む もみじ葉の 彩は高尾に 山川の水」 という和歌にちなむとされています。

とはいえ、はじめての場合はそのあまりのシンプルさに開封してから「どう食べるの?」と、若干戸惑うかもしれません。ですが、大丈夫です。裏返すとちゃんと切れ込みが入っています。そこから包丁などを使うと美しく切り分けられますが、一方で治郷公はこの山川を手で好きな形に割って食べたと言われています。

お好みの割り方で楽しむのも、当時の風流を感じられていいかもしれません。 風流堂の山川の主な材料も、砂糖・寒梅粉・食塩と実にシンプルなもの。山川も落雁なのですが、一般的にイメージするそれとは異なり、しっとりとした仕上がりとなっています。

口に入れると、ふんわりやわらかな食感。大変口溶けもよく、まるで流れる山水のように品の良い甘さとほんのりとした塩加減がお茶によく合います。

江戸時代と同様に和三盆を使用した「古代山川」もあります。こちらは受注生産となっていて、風流堂の通信販売から注文できます。

【風流堂】

住所:〒690-0021 島根県松江市矢田町250-50
URL:https://www.furyudo.jp/

日本三大銘菓の魅力


出典:ウィキメディア・コモンズ

日本三大銘菓と呼ばれているお菓子は、いずれも小さなその身に長い歴史と伝統を秘めた銘菓たち。 みなさんもそんな「日本三大銘菓」を是非、触れて、食べて、知って、その奥深さを感じてみてください。

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