元社会科教師からピアノ調律師という職人の道へ | 粋-iki-粋な日本文化を発信するメディア

お仕事中の職人さんにも話を伺う。

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米ノ井さん/調律師 調律師になって10年のベテラン。なんと経歴は元社会科の先生だそうです。実際のお仕事中に取材することができた。

厳しい目で部品を見つめる米ノ井さん。どのような作業をしているのか。

微調整を重ね、いい音は生まれる

今は古いハンマーから新しいハンマーに付け替える作業をしているとのこと。

※ハンマーとは鍵盤を叩いた時に弦を鳴らす為の部品

「具体的には、付け替えるハンマーを弦の位置に合わせてねじを止めていく作業になります。付けるだけは簡単ですけど、しっかり真ん中に当てないといい音はでないので、そういう調整を我々はしています」

素人では違いがよく分からないほどのミクロ単位で調整を行っているとのこと。

「そういう小さいところの積み重ねでいい音は生まれるんですよね。特に密集している部品だと、少しずれるだけでも、弦に当たる場所が変わるので気を付けないといけない、普通の人はただのねじ止めに見えるかもしれないですけど、僕らは細かいところに気を付けながらねじ止めをしています」

グランドピアノであれば約10,000個ものパーツがあり、その一つ一つを丁寧に修正、調整していく。

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そして調律ではすべての鍵盤を何度も叩き、耳で音を確認する。匠の手と耳、すべてを敏感に感じとり調整していく。まさに職人のなせる業だ。

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気候や国民性に合わせ調律していく

日本の部品は優秀だと米ノ井さんは言う。

「壊れにくいですし、丈夫ですからね。でも音に関しては、海外の製品のほうが優秀かもしれないですね」

海外の部品のほうが音がいいのはなぜか、意外な理由があった。

「何百年という音楽の歴史がありますし、あとは気候がありますね。日本で作った楽器をアメリカに持っていくといい音鳴るんですよ」

「日本は湿っぽいんですよね。逆を言えば悪い条件で作っているので、どこに持って行っても壊れにくい。だから作る条件によって何を一番にするかでその国の国民性とかでますね。日本人が気にしないようなことを向こうの人たちは気にしたり、逆に向こうの人が気にしないようなことを日本人が気にしたりしますよね」

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転職でも立派な職人に

仕事中にも関わらず、とても丁寧に教えてもらえました。米ノ井さんのようにPIAPITでは未経験からのスタートでも職人になれる環境が整っています。

ピアノの生産台数も減少してきていますが、ピアノが無くならない限り、調律師という職が必要になります。

ピアノが好きな人、音楽が好きな人、職人になりたい人、興味があるのであれば一度体験してみてはいかがでしょうか。

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