城崎麦わら細工は兵庫県の伝統工芸品のひとつで、300年近い歴史を持つとされています。
麦わら細工が作られているのは、兵庫県北部にある豊岡市城崎町。志賀直哉も泊まったことで有名な、城崎温泉がある街です。
今回は、鮮やかな色と滑らかな質感が魅力的な、城崎麦わら細工についてご紹介します。
出典:城崎温泉 湯楽
城崎麦わら細工の歴史
城崎麦わら細工の発祥は、約280年前。城崎に湯治に来た、因州(現在の鳥取県)の半七という職人が、宿泊料の足しにするために竹笛やコマなどに色麦わらを張って軒先で売ったことが始まりとされています。
Midoriさん(@midori_wakabayashi)がシェアした投稿 – 2017 3月 17 3:05午前 PDT
時代の流れとともに麦わら細工の技術も進歩し、明治に入ってからは高名な画家が下絵を描くようになったことで、芸術的価値も高まりました。染色の技術も進歩し、中間色が作れるようになったことから、より鮮やかで細やかな表現が可能になりました。
伝統工芸品に指定された現在は、コマ以外にも桐箱や色紙、土鈴などに麦わら細工を施す作品が製作されています。
城崎麦わら細工の特徴
現在国内で、麦わらで桐箱や色紙に細工を施す民芸品をつくっているのは、城崎のみといわれています。城崎独自の民芸品となった麦わら細工は、美しい色彩と、麦わらの滑らかな質感が特徴です。
前川拓史さん(@takuji_maekawa)がシェアした投稿 – 2016 12月 20 1:30午後 PST
城崎麦わら細工は、地張り、模様師、小すじの三部門に分かれています。
製作ではまず、続飯(そっくい)と呼ばれる細工に必要な糊をつくり、麦わらを加工することから始まります。カットした麦わらを選定しながら縁取りし、隙間なく敷き詰めると、地張りの完成です。
麦わら細工の模様は、手すきの和紙に下絵をかき、上から型をつけ、切り抜き、彩色した麦わらをはめ込むことで生まれます。最後に仕上げとして、麦わらを安定させるため、上からしっかり押し付け、はみ出した糊をふきとると完成です。
つややかな輝きを放つ麦わらは、裸大麦と呼ばれる、節と節の間が長い大麦を加工して作られます。大麦のわらは絹のように滑らかで、使い込むほどに上品で、深い味わいが出てくるのが魅力です。
見る・知る・楽しむ!城崎麦わら細工
心くすぐられる麦わら細工の数々
gallerykataokaさん(@gallerykataoka)がシェアした投稿 – 2017 9月 23 11:38午後 PDT
城崎麦わら細工は、温泉街にある専門店や土産物店で購入できます。
旅猫雑貨店 かねこかよこさん(@tabinekojp)がシェアした投稿 – 2015 12月 17 1:26午前 PST
民芸品、というとレトロでなかなか普段使いは難しいのでは・・・と思われるかもしれません。ですが最近は、ピアスのように身に着けやすく、おしゃれ心くすぐられる作品も作られています。
Ryoko sakuraさん(@ryokosaku)がシェアした投稿 – 2017 1月 8 4:39午後 PST
ちょっとしたおみやげには、指輪やポストカードもおすすめです。おうちに飾るのであれば、色紙タイプもおすすめです。
yuki.aさん(@yuki.a_tontonton)がシェアした投稿 – 2016 5月 9 12:09午前 PDT
もちろん、オーソドックスなコマや、土鈴も製作されています。おうちに飾ると、麦わら細工の色彩で、パッと明るくなりそうですね。
Ichizo Kubotaさん(@ichizokubota)がシェアした投稿 – 2016 5月 2 2:19午前 PDT
桐箱や塗箱などに細工を施した箱ものの麦わら細工は、手紙入れ、宝石入れなど大切なものを入れて、世代を越えて受け継ぎたい美しさです。
むぎわら細工伝承館で、歴史に触れる
城崎の中心部には、むぎわら細工伝承館があります。
みきさん(@miki_2034)がシェアした投稿 – 2016 11月 28 11:02午前 PST
現在の作品に加え、明治から昭和初期にかけての作品が多数所蔵・展示されていて、麦わら細工の歴史を感じることができる施設です。近世に建築されたとされる、白壁の土蔵を活かした建物からも、レトロな雰囲気が漂っています。
館内では、麦わら細工の製作体験コーナーも設けられています。体験コーナーでは、はがき、姫額、うちわ、竹トンボ、コマ、風鈴、土鈴、置物、キーホルダー、しおり、絵皿などをつくる体験ができます。所要時間は製作物によって異なり、個人差がありますが、およそ所要時間15~30分程度といわれています。
所在地:〒669-6101兵庫県豊岡市城崎町湯島376-1
開館時間:9:00~16:00 (入館は15:30まで)
休館日:水曜日(祝日の場合は翌日)
入館料:大人300円(200円)、中高生200円(100円)※()内は20名以上の団体
体験コーナー:400円~(入館料別途)
お問い合わせ:0796-32-0515
交通アクセス:JR山陰本線「城崎温泉駅」から約徒歩10分
城崎文芸館で、麦わら細工と城崎ゆかりの文人たちに触れる
城崎文芸館は、城崎とゆかりのある志賀直哉をはじめ、桂小五郎の書などを展示する施設です。施設内には、温泉街・城崎らしく足湯を楽しめる場所もあり、人気作家の万城目学氏や、湊かなえ氏による、「ここでしか読めない」書き下ろし小説など、オリジナル商品も販売されています。
麦わら細工の製作体験は、城崎文芸館でも可能です。
所在地:兵庫県豊岡市城崎町湯島357-1
開館時間:9:00~17:00
休館日:毎月最終水曜日(祝日の場合は翌日)、年末年始
入館料:大人500円(400円)、中高生300円(200円)、小学生以下無料
※()内は20人以上の団体
体験コーナー:300~400円(入館料別途)
お問い合わせ:0796-32-2575
交通アクセス:JR山陰本線「城崎温泉駅」より約徒歩5分
城崎麦わら細工、ゆっくり温泉と一緒に楽しんでみては?
麦わら細工の魅力は、麦のナチュラルな雰囲気も残しつつ、色彩の豊かさや艶のある質感があるところです。そんな麦わら細工に触れられる城崎は、外湯めぐりで有名な温泉どころでもあります。
日本海もすぐそこなので、冬はおいしいカニも楽しめます。
木造三階建ての旅館や、街を流れる川と柳・・・情緒あふれる温泉街をぶらぶらしつつ、ぜひゆっくりと、麦わら細工から生まれる美を楽しんでみてはいかがでしょうか。
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