五美大展に行ってみよう!|2019年日程・歴史・特徴・詳細

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五美大とは、東京都にある私立美術大学の多摩美術大学、武蔵野美術大学、東京造形大学、女子美術大学、日本大学藝術学部を総称して「私立五美大」ということで、この五校を「五美大」と呼びます。

なお、東京藝術大学は都内にありますが、国立大学であるために五美大には含まれません。

五美大展とは


出典:写真AC

五美大展とは、多摩美術大学、武蔵野美術大学、東京造形大学、女子美術大学、日本大学藝術学部の五美大が合同で開催する作品展のことで、正式名称は「東京五美術大学連合卒業・修了制作展」と言います。

各大学で行われる卒業・修了制作展とは別に、五美大の絵画・彫刻系の卒業・修了制作作品が一堂に会して展示され、公共の美術館で自分の作品が展示されるということもあって「五美大展に出展するのだ」という学生の制作モチベーション向上に一役買っています。

五美大展の歴史


出典:フォト蔵

五美大展は、約40年前に武蔵野美術大学の清水昭八教授に対して「東京都美術館を使いませんか?」と打診があった際に「せっかく東京都美術館が使えるのならば、武蔵野美術大学だけではなく、都内の美大合同でやりましょう」ということで始まったと言われています。

清水昭八教授は版画が専門であったこともあり、五美大展はファインアートの絵画・彫刻系が中心で、デザイン系の展示はありません。現在、五美大展の会場は六本木にある国立新美術館となっていますが、毎年2月末頃に開催されています。

2019年は2月21日〜3月3日の間に開催されました。

五美大展の特徴


photo by ajari

五美大展は六本木にある国立新美術館で開催され、どなたでも無料で入場することができ、写真撮影は自由となっています。

展示される作品はファインアート系であり、日本語でいうと「純粋芸術」と訳される分野になります。純粋芸術というのは、簡単に言うと商業美術であるデザイン系以外のカテゴリーであり、絵画や彫刻などが中心です。絵画には油絵や日本画、版画なども含まれ、彫刻には立体アート全般が含まれています。

東京藝大以外の美大のほとんどは郊外にあるため、よほど興味のある方以外はなかなか作品を見る機会がありませんが、五美大展は都心の六本木で開催されるため、都内の芸術系私立大学の作品がまとめて見られるということで、毎年非常に人気となっています。

各大学の作品を比較して見ることができるため、それぞれの大学のカラーがはっきりと分かり、個性的な作品が出展されるため美大を目指す高校生などにも非常に注目されています。

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五美大展の魅力


photo by Wei-Te Wong

五美大の合同卒業・修了制作展であることから、各校は自分たちの特徴を前面に打ち出してくるため、非常にインパクトのある作品が多いのが魅力の一つです。また最近の特徴としては、五美大展が写真撮影を許可していることからSNS映えする事を意識した作品が多いことがあげられます。

特に立体展示物は非常に面白い意欲作が多く、多くの方が足を止めて鑑賞されます。 また、学内で行われる展示会の場合はほぼ規制がない状況で展示が可能ですが、五美大展は入場無料とはいえ、国立新美術館という公共の場で展示されるために、利用規定から外れる作品については規制が入ります。

もちろん行き過ぎた規制は検閲に当たるため問題なのですが、自分のコンセプトを主張する学生側と、「作品の編集をしなければ撤去する」と要請する美術館側でせめぎ合いが発生するケースがあるようです。

美大を卒業したからといって、そのまま芸術作品制作を職業にする生徒は一握りであるとはいえ、彼らにとっては「世の中からどう見られるのか」という視点を初めて知る場にもなっています。

五美大展は、そんな学生の、荒削りながらもパワー溢れる作品群にふれる機会であり、芸術に興味のある方、特に美大進学を考えている学生には是非足を運んでいただきたい展示会です。

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